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zoom RSS 「放射能拡散 海にわびる アイナメに思う」 (投稿) 医師・水戸部秀利氏 河北新報2013-4/21

<<   作成日時 : 2013/04/26 18:50   >>

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「この浅知恵と欲望の不始末を地上の生物にわびなければならないし、このような未完の技術は密封された研究室の一室にとどめるようにすべきである。」

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河北新報   平成25年4月21日(日曜日)

持時論

放射能拡散 海にわびる  アイナメに思う

医師 水戸部秀利 (64歳・塩釜市)

 2月28日、福島第1原発の専用港湾内で捕獲されたアイナメから1キログラム当たり51万ベクレルの放射性セシウムが検出され、さらに3月15日には74万ベクレルのアイナメが捕獲されたと報道された。
 海の魚には立ち入り禁止区域も計画的避難区域もガイガーカウンターもない。東京電力は港湾の出口に刺し網を設置し、捕獲したアイナメを「駆除」するという。網で大きな魚は通れなくなるかもしれないが、小魚の移動や海水の流れを制限するのに効果があるだろうか。
 原発事故による海洋汚染は、潮流と食物連鎖でコウナゴ、スズキ、クロダイ、ヒラメ、マダラなどに広がり、福島県沖にとどまらず広く太平洋沿岸に及んでいる。漁業を生業としている人々を苦しめ、復旧・復興の大きな妨げになっている。
 原発施設の汚染水貯蔵タンク建設も限界に近づいており、最後は海洋投棄という話も聞こえる。たとえ投棄しなくても、これまでに汚染された地下水の多くが海に流出している。陸上の除染作業を行っても、放射性物質の多くは風雨とともに川から海へ拡散していく。
   ◇      ◆      ◇
 私は医療を職業としているが、こよなく釣りを愛する一人でもある。アイナメは沿岸の釣り人にとって最も身近な友人ならぬ「友魚」である。仙台市で続けられている「脱原発みやぎ金曜デモ」には、職場の帰りに時折参加して「原発はいらない」と声を上げている。釣りざおに「きれいな海と魚を」と書いたちょうちんを下げて、何の罪もない太平洋の魚たちの声なき声を陸の人々に届けている。
 人も魚もこの地球上に生きる動物は、感覚器を進化させ、熱い、痛い、臭い、苦いなど生きることに有害な外界の事象を感知して逃避する能力を備えている。だからこそ無事に生きていられる。
 考えてみれば、約46億年前に誕生した原始地球では、宇宙から放射線が降り注いでいた。地殻や大気、地磁気、海洋の形成によって強力な自然放射線から保護される環境ができたことで、ようやく生命の進化が始まったのである。
 そうした環境下で、長い時間をかけて進化を遂げてきた私たちには、放射能を感知する能力は全く備わっていない。「地上の生命体は放射能とは共存できない」ということである。坑道のカナリアならぬ「駆除されるアイナメ」は身をていして、そのことを私たちに教えている。
   ◇      ◆      ◆
 進化の頂点と自負しているホモサピエンスは、地殻に分散して眠っていたウランを掘り出して精製し、わずか60年余りの間に原子爆弾や原子炉によって大量の放射性物質をまき散らしてしまった。ホモサピエンスはこの浅知恵と欲望の不始末を地上の生物にわびなければならないし、このような未完の技術は密封された研究室の一室にとどめるようにすべきである。
 昨年3月に始まった首相官邸前の脱原発デモは全国に広がり、仙台でも3月16日で31回を数えた。政権が交代し、脱原発から原発容認へと政策転換しつつあるようだが、私はアイナメをはじめ多くの生き物と一緒に、時間と体力の続く限り「きれいな海と魚を」の声を上げていきたい。
 地球に生を受けたヒトとして、すべての生命が安心できる未来のために、立場の違いを超えて多くの方々に声を上げていただきたいと願っている。
                    (投稿)
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