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zoom RSS 工藤博司氏「35グラムのヨウ素131 がんになるだけの放射線量を出すかと言うとないんだ。残念ながら」

<<   作成日時 : 2013/06/06 18:57   >>

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工藤博司氏は、このインタビュー動画の中で

「35グラムのヨウ素131・・がんになるだけの放射線量を出すかと言うと、ないんだ。残念ながらっていうか幸いにして」
「福島県の子供18歳未満何十万人か(検査を)やったんだけど、結局、数人なんか異常者がいたんだけど、でもそれは放射線による異常なのか通常の異常なのか全然区別がつかないわけだ※最新データ
さらに、東大・小佐古敏荘氏の裏切り行為をこき下ろしながら、
「誰かが実際に病気になったなんていうと、あの先生の責任だとなる」
「出荷停止のたけのことか、どんどん私の所に送ってください」

と発言している。
            ↓
【放射線を愛する化学者 工藤博司(東北大学名誉教授)】 saihate blogさん
http://www.ustream.tv/recorded/33388619?utm_campaign=ustre-am&utm_source=33388619&utm_medium=social

※ 「甲状腺がん「確定」12人に 福島18歳以下、疑いは15人 2013年6月5日 東京新聞」
※ 20130605甲状腺検査結果速報2.pdf



 これまではよく知らなかったが、”化学者”工藤博司氏はこういう人だというのが良く分かってよかったと思う。3.11直後のあの当時、どうして彼のメッセージに共感が持てなかったのか。その疑問に対する答えがようやく明らかになってきた気がしてきた。
 私の個人的な考え方において、特に工藤博司氏とは異なると思われる部分を、以下にまとめておくことにする。もしかしたら、読まれる方にとって有益な部分も少しはあるかもしれないと期待して。


1.物理的センスの欠如
 工藤博司氏による「35グラムのヨウ素131は、がんになるだけの放射線量を出さない」という考え方。素人なりの感じ方で、これに類似した文章を考えてみよう。
「35グラムのダイオキシンは、人が死ぬだけの毒性を持たない」
「35グラムのメチル水銀は、中毒性中枢神経疾患を引き起こさない」
 ”35グラム”という量を示したからといって、何の説得力も生まれないのは明らか。きちんと一人当たりの配分量とその有毒性の度合いに換算してもらわないと何も意味はない。放射線を愛するあまり、一般人とはかけ離れた奇抜な物理的センスを獲得してしまったのでしょうか。ここまで見識のなさを露呈するものなのかとあきれてしまう。
 ちなみに、放射性物質であるヨウ素131がテーブルの上に35グラム置いてあるとしたら、それは相当危険であり、異常な状況であることに間違いない。10^17 Bqを超える放射能が小さいわけないし、その35グラムが大したことないわけがない。いかなる結論になるとしても、まっとうな科学者ならば、そのことをまず最初にはっきり言うべきであろう。


2.大気拡散による放射性プルームの輸送
 1グラムのヨウ素131あたりの放射能(比放射能)は4.597×10^15 Bq/gということであるから、35グラムのヨウ素131は、35g×(4.6×10^15 Bq/g)=1.6×10^17 Bq。
 ここでは、これが50km×50km×1kmの空気(2.5x10^12 m^3)で希釈されると仮定してみよう。これは地表付近で四方に均等に拡散したという仮定である。(現実には、微風により、より幅が狭い領域に偏った高濃度の放射性プルームが流れたことが考えられるが、ここでは単純にしておこう。あとで修正はいくらでもできるのだから。)35グラムのヨウ素131が大気拡散・輸送される途中では、50km×50km×1km程度の大きさを考えるのはリーズナブルだと思われる。すると、1.6×10^17 Bq÷(2.5×10^12 m^3)=64,000 Bq/m^3となる。もちろん、より遠くまで、より広い範囲まで輸送されれば、より大きな体積になっていくが、それは前線が通り過ぎたずっと後の話だ。500km×500km×10kmの空気で考えても64 Bq/m^3であり、この時点では無視して良い値であるかどうかはまだわからない。


3.放射性プルーム中での吸入摂取被曝量
 2011年3月中旬、品物不足の仙台市内で、家族で手分けしてスーパーの行列に屋外で何時間も並んだことを思い出す。この状況は、仙台市内に限ったことではなかったのは容易に想像できる。上記の計算結果を受けて、例えばヨウ素131が64,000 Bq/m^3含まれる空気の中で2時間呼吸して過ごすとしたら、一人の人間はどの程度被曝することになるだろうか。
 ざっくり吸入量毎分5リッター×120分=0.6 m^3で、甲状腺への移行率を5%と仮定すれば、1,920 Bqとなる。この想定がどの程度、現実に近いかについては今の段階では不明だが、そんなに桁違いという程ではないだろうというのが私の物理的センスだ。大きな間違いがあると指摘されれば、修正していくだろうが。
 そして、甲状腺等価線量に係る線量係数2.9×10^-4 mSv/Bq(成人)、1.4×10^-3 mSv/Bq(幼児)、2.5×10^-3 mSv/Bq(乳児)を掛ければ、
   甲状腺等価線量(成人) 0.56 mSv
   甲状腺等価線量(幼児) 2.7 mSv
   甲状腺等価線量(乳児) 4.8 mSv
のように算出される。
 2で述べた”より幅が狭い領域に偏った高濃度の放射性プルーム”であれば、この数倍〜10倍程度になってもおかしくはない。例えば、広がり角度が30度に限定されるならば、360度÷30度=12倍という感じ。すなわち、甲状腺等価線量の限度20 mSvを超えうることも想定して、避難・予防することは重要なことだと私には思える。工藤博司氏はどんな基準を適用してあんな発言をしたのだろうか。おそらく、何も考えていない、ただそれだけだろうが。


4.まとめと他の核種の存在への拡張
 ”35グラムのヨウ素131”を人間の生活環境中に放出することが、どれほど異常で危険なことであるかは、上記の私の素人計算では疑いがないように思える。
 放射性キセノン積算濃度の観測値(高崎)が、放射性ヨウ素の100倍以上だったという事実についても、上記と同様に簡単かつ素人にも納得できる見積もりをしてみて初めて、用心が必要かどうかが判断できるはずだ。放射性セシウムやその他の核種についても、きちんと吟味していく必要があるはずだ。
 他にも考慮すべき事柄はたくさんある。風向き、風速はもちろんだが、例えば、他の微粒子に付着して浮遊しているのか、単原子分子として浮遊しているのか、とか、その分子量はどの程度違うのか、に依存して輸送のされ方は変わるだろう。大気が乾燥しているのか、湿っているのかによっても変わるだろう。何も考えずに最初から”心配無用”はありえない。



 よくよく調べてみれば、工藤博司氏のような考え方は、専門家コミュニティの中で過半数の同意を取り付けることに失敗しているのではないだろうか。工藤博司氏のみが浮いた存在であるかのように、私には見える。すなわち、相手にされていない。だから、一般市民相手にアピールして、存在価値を生み出そうとしているように見える。何も考えなくて良くて楽できるから、悩み多き一般市民はあっさり受け入れてしまうのだろうか。工藤博司氏の主張も、日本放射線化学会を除けば、他の放射線関連や物理関係の学会では、それほど注目を浴びていることはないようだし、年間被曝実効線量限度1mSv(甲状腺等価線量換算では20mSvとなる)を守るよう努力していると考えられる個別のケースはたくさん見つかる。(例えば、日本赤十字社や日本保健物理学会専門研究会

 どちらを信じるのか?それは結局、一人ひとりが自分の努力と直感で判断するしかない時代なのだろう。信じた相手に何かを要求したところで、しっぺ返しはあるにしても、特段価値のある見返りはないと思った方が良い。





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【参考】
『敗北主義を説く人々・・正すためになし得ることは何もないと論じ・・心配するだけ無駄であると言う・・犠牲者に向かって、運命は避けられないものだから・・と言ってのけるレイプ常習犯のそれに似ている』
「教科書が絶対に教えない闇の世界史」 http://bit.ly/1imUnr7
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