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zoom RSS 『チェルノブイリ人民法廷』 自己の職業の名誉を賭けて立ち上がろうとせず、沈黙を続けてきた者たちを弾劾

<<   作成日時 : 2013/08/13 20:47   >>

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なぜ、「放射線量の違いが効果として人間にどう表れてくるか、そんな研究は倫理上不可能」なのか。その答えは、そんな研究は人体実験そのものであるからです。

以下、一部のみ抜き書きする。

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p.6
「警告が出された時には、まだ間に合ったはずだ
 聞いておけば、どんなにか賢かったことか
 商用原子力が始まる、その前に・・・
 −−ジャン・ロスタン(1895〜1977)」

p.30-36
ロザリー・バーテル博士(チェルノブイリ国際医療委員会代表)の発言
「放射線の健康への影響に関する研究・・・きちんと細部にまで踏み込んだ重要な研究はほとんど1951年よりも前の日付のものだ、ということを発見した時には驚きました。」
1951年以降、神話が打ち立てられたのです・・・低線量の被曝の影響は、見出すのが不可能であるというのです。」
「1951年はたいへん重要な日付です。大気圏核実験の施設がネヴァダに開かれたのがこの年です。アメリカ大陸に開かれた最初の実験場でした。」
「どれだけの人数が直ちに死亡するか、どれだけが戦闘能力を失なうか、ということを知ろうということでした。研究者たちはこんなことばかりに関心を集中し、こんな計算ばかりしていたのです。流産や堕胎、死産、病気の子どもたち、長期にわたる影響といったことには関心をもちませんでした。」

被曝によるこれまでの犠牲者は、私の見積りでは控えめに見ても3200万人ほどになります。原子力産業の労働者たち、日本の原爆被災者たち、大気圏内核実験の犠牲者たち、過去の様々な事故や障害にともなう犠牲者たちが含まれます。そうした事故の中では、チェルノブイリの大事故による犠牲者たちのことがもっとも重要です。目を覆う惨事はまだ終わっていません。

「スリーマイル島について・・・「事故」の定義には、はじめの7日間しか入っていませんでした・・・事故に引き続いて人々が浴びた線量を話題にする時にも、そのはじめの7日間の線量に限定するのです・・・発電所が正常に動いていたら、これこれのの線量を浴びたであろう、という数値を、この7日間の数値から差し引きます・・・中国の核実験の数値も差し引きます・・・これだけでも立派な欺瞞です。」

「放射線による健康への障害には、IAEAが認めているものがある一方で、認めることを拒んでいるものがもう一方にあります。IAEAは健康被害を二つに分けました。白血病を認めるしかなくなりましたので、現在は三つに分けられています。」
エキスパートたちが最初に認めたのは「放射線−起源の−死に至る−癌」です。一つ一つの語に注意していただきたいと思います。つまり、エキスパートたちは、死に至る癌については存在を認めます。けれども、死には至らないと彼らがしている癌や良性腫瘍なるものについては、なかなか認めません。
他の原因による癌の成長を放射線が助長するということを認めるのは拒んでいます。10年という限度を設けているのはそのためです。
「癌以外のもので、一まとめにされているものとしては、「生きて生まれた子どもたちにみられる、重度の遺伝性疾患」があります。ここでも、一つ一つの語に注意を向ける必要があります・・・死産は認定しないのですし、胎児の先天性畸形によって堕胎しても、認定しないのです。」


ユーリイ・パンクラツ博士(チェルノブイリ子ども基金、ミンスク、ベラルーシ)の発言
p.92
トロントに近い原発の保安責任者「放射能は出ています・・放出しないようにすると、余計に危険」
「(原発から11kmの住人たちは)チェルノブイリの犠牲者たちとほとんど同じ問題で苦しんでいます。」


p.91
孤児院、精神障害児童のための学校、聾唖施設など、5026人の子どもたちを集めた26の施設が、チェルノブイリ大惨事から6年の後に、汚染地域でそのまま運営され続けていました。チェルノブイリ大惨事から10年たったつい最近、私たちはこのことを知ったのです。

p.94
汚染地帯に暮らす8万人の子どもたちを、6〜10週間、様々な国々に滞在して治療し、力を取り戻すよう、送り出すことに成功しました。私たちのまとめた医療記録の公表は、政府に冷水を浴びせるものでした


p.176
ロザリー・バーテル博士(チェルノブイリ国際医療委員会代表)の発言
(ウイスコンシン州)正常に運転されている原子力発電所の風下で、2500g以下の赤ん坊の死亡率は統計的に有意な様態で増加・・放出量の増加のある年には必ず、死亡率が増加


p.198
エレーナ・ブルラコーヴァ教授(セメノフ物理化学研究所、ロシア科学アカデミー)の発言
学界の人たちは、私たちが動物しか研究していないと言い、人間は動物ではないと言いました。放射線量の違いが効果として人間にどう表れてくるか、そんな研究は倫理上、不可能です。もちろん、そんなことは百も承知で言うのです。




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チェルノブイリ人民法廷
ソランジュ・フェルネクス[編]竹内雅文[訳]
緑風出版
四六判上製/408頁/2800円
ISBN978-4-8461-1301-8 C0036
http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-1301-8n.html

画像


 チェルノブイリ事故の10年後、救援活動と被害の実態を調査してきたチェルノブイリ国際医療委員会(IMCC)の提案を受けて、オーストリアのウィーンでチェルノブイリ人民法廷が開催された。
 国際原子力機関(IAEA)が、甚大な被害を隠蔽し、矮小化し、原発推進を正当化しているなかで、この法廷では、現場の医師、研究者達が次々証言に立ち、事故後の被害の緻密な統計、とりわけ子どもたちの被害実態を明らかにした。事故後、死亡者は数十万人に及び、様々な健康被害、畸形や障害などが多発していることも明るみに出た。
 本書は、この貴重なチェルノブイリ人民法廷の全記録である。(2013.2)

■内容構成
序文 武藤類子 
聴聞
 フランソワ・リゴ裁判長/フレダ・マイスナ= ブラウ判事 
証言開始にあたって
 ジアンニ・トグノーニ博士/裁判長/ロザリー・バーテル博士
 裁判長 

第一部 事故と、他所の原子炉への影響
 裁判長/セルギイ・ムィルヌィイ博士/裁判長/ヴァシーリ・ネステレンコ教授
 裁判長/ロバート・グリーン司令官/裁判長/ユーリイ・アンドレエフ教授
 裁判長/ロス・ヘスケス教授/フレダ・マイスナ= ブラウ判事/ロス・ヘスケス教授
 ユーリイ・アンドレエフ教授/裁判長/ヴォルフガング・クロンプ博士/裁判長
 スレンドラ・ガデカル判事/ロス・ヘスケス教授/フレダ・マイスナ=ブラウ判事
 ロス・ヘスケス教授/裁判長/ロザリー・バーテル博士/裁判長
 ロバート・グリーン司令官/ロス・ヘスケス教授/コリン・クマル判事/裁判長
 スレンドラ・ガデカル判事/ロバート・グリーン司令官
 ユーリイ・アンドレエフ教授/ロス・ヘスケス教授/裁判長


第二部 チェルノブイリと犠牲者の諸権利
 裁判長/イリーナ・フルシェヴァヤ博士/裁判長/ユーリイ・パンクラツ博士
 裁判長/ガリーナ・ドロズドヴァ教授/裁判長/ラリーサ・スクラトフスカヤ教授
 裁判長/ハリ・シャルマ教授/裁判長/ペーター・ワイシュ教授/裁判長
 ロザリー・バーテル博士/裁判長/ペーター・ワイシュ教授/ハリ・シャルマ教授
 裁判長/スレンドラ・ガデカル判事/ハリ・シャルマ教授/裁判長
 スレンドラ・ガデカル判事/コリン・クマル判事/岡本光男判事
 フレダ・マイスナ=ブラウ判事/裁判長/ユーリイ・パンクラツ博士
 フレダ・マイスナ=ブラウ判事/ユーリイ・パンクラツ博士/裁判長
 ロザリー・バーテル博士/裁判長/ペーター・ワイシュ教授/裁判長
 ハリ・シャルマ教授/ヴォルフガング・クロンプ博士/裁判長
 セルギイ・ムィルヌィイ博士/裁判長


第三部 環境と人体の毀損に関する証言
 裁判長/コルネリア・ヘセ= ホネガー氏/裁判長/コルネリア・ヘセ= ホネガー氏
 裁判長/ソランジュ・フェルネクス氏/植物学者/獣医/医師たち
 ジトーミルの助産婦/裁判長/サンガミトラ・ガデカル博士/裁判長/岡本光夫判事
 コルネリア・ヘセ= ホネガー氏/サンガミトラ・ガデカル博士
 ロザリー・バーテル博士/裁判長/エリカ・シュヒャルト教授
 フレダ・マイスナ= ブラウ判事/エリカ・シュヒャルト教授
 フレダ・マイスナ= ブラウ判事/エリカ・シュヒャルト教授/裁判長
 ヌアラ・アハーン氏/エルマ・アルトファタ判事/ロザリー・バーテル博士
 ソランジュ・フェルネクス氏/ヌアラ・アハーン氏/ミシェル・フェルネクス教授
 ロス・ヘスケス教授/裁判長


第四部 チェルノブイリに帰因できる直接的な健康被害
 裁判長/エレーナ・ブルラコーヴァ教授/裁判長/イヴェッタ・コガルコ教授
 裁判長/イリーナ・ペレーヴィナ教授/リンパ球の研究/裁判長
 ロザリー・バーテル博士/裁判長/リュドムィラ・クルィシャノフスカ教授
 裁判長/レオニード・チトフ教授/裁判長/ニカ・フレス教授/裁判長
 ジェイ・M・グールド教授/裁判長/ジェイ・M・グールド教授/裁判長
 ジェイ・M・グールド教授/裁判長/インゲ・シュミツ= フォイアハケ教授
 裁判長/アンドレアス・ニデカー博士/裁判長/スシマ・アクィラ博士/裁判長
 フレダ・マイスナ= ブラウ判事/アンドレアス・ニデカー博士
 スシマ・アクィラ博士/裁判長/エルマー・アルトファタ判事/岡本三夫判事
 コリン・クマル判事/スレンドラ・ガデカル判事/裁判長
 インゲ・シュミツ=ホイアハケ教授/アンドレアス・ニデカー博士
 スシマ・アクィラ博士/裁判長/ジェイ・M・グールド博士/裁判長
 リュドムィラ・クルィシャノフスカ教授/エレーナ・ブルラコーヴァ教授/裁判長


第五部 日本の体験。広島、長崎 
 裁判長/振津かつみ博士/裁判長/山科和子氏/裁判長
 サンガミトラ・ガデカル教授/裁判長/定森和枝博士/裁判長
 ロザリー・バーテル博士/裁判長/コリン・クマル判事/岡本三夫判事/裁判長
 振津かつみ博士/岡本三夫判事/振津かつみ博士/定森和枝博士
 サンガミトラ・ガデカル教授/裁判長


第六部 国家機関および国際機関の対応
 裁判長/ヴラディーミル・ヤキメツ博士/裁判長/振津かつみ博士/裁判長
 ミシェル・フェルネクス教授/裁判長/岡本三夫判事
 ヴラディーミル・ヤキメツ博士/フレダ・マイスナ= ブラウ判事
 エルマ・アルトファタ判事/スレンドラ・ガデカル判事
 コリン・クマル判事/岡本三夫判事/裁判長
 ミシェル・フェルネクス教授/ロス・ヘスケス教授/裁判長
 クラウス・ビゲルト博士/裁判長/ヘルガ・クロンプ教授
 裁判長/ハリ・シャルマ教授/ジェイ・M・グールド教授/裁判長
 

第七部 結論
 裁判長/ヌアラ・アハーン氏/裁判長/ロザリー・バーテル博士
 フレダ・マイスナ= ブラウ判事


判決
 前文 
  一 訴訟手続
  二 本裁判と常設人民法廷の過去の諸判決との関係
  三 事実
  四 国際社会側の隠蔽
  五 科学界の責任
  六 核兵器と原子力発電所
  七 責任を問う権利と賠償を受ける権利 
  八 原子力エネルギー生産の経済的諸要素
  九 人間の諸権利の新たなるヴィジョンへ
 判決 
  当法廷は弾劾する/勧告と提案
  半世紀にわたる核の迷走による、過去、現在、未来の犠牲者たちへ

語彙
参照文献
あとがき
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
1951年以降の神話によって、どれだけの人々が犠牲になったのか……そのことに胸が押しつぶされるような気持ちになりました。
この記事を、わたしの拙ブログ(http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr)に転載させていただきたいと思います。
まうみ
2013/12/10 23:30
まうみ様 ご訪問、ありがとうございます。
ブログ記事の転載はご自由にどうぞ。
エム(管理人)
2013/12/10 23:54

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『チェルノブイリ人民法廷』 自己の職業の名誉を賭けて立ち上がろうとせず、沈黙を続けてきた者たちを弾劾 Behind the Days/BIGLOBEウェブリブログ
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