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zoom RSS 「原発と大津波 警告を葬った人々」添田孝史著に東北大学名誉教授・首藤伸夫氏が登場

<<   作成日時 : 2015/01/24 14:17   >>

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終戦後の貧しくて悔しかった思い出によって縛られてしまった強烈な信念
「原子力がない限り、日本の経済状況も生活状況も絶対に成り立ちませんよ。」
それが、福島第一原発事故の重大な原因の一つの候補であることを、本人は絶対に認めたくないだろうし、今現在も認めていないかもしれない。

ここに用いられている”絶対”という言葉ひとつで、首藤伸夫氏が科学者であると私は認めることができない。どのような視点で現状を見ても、彼の信念が正しいとは私には思えない。他にも彼と同じ信念を持つ人がいるのかもしれないが、そのような人物が科学者であることを私には到底認めることはできない。今の私にできないものも、いつかはできるようになるかもしれないが、そのようにはならないという信念を私は死ぬまで貫くだろう。それが、私という存在の重要な部分だからだ。結果的に、今の私は”絶対”という言葉はほとんど使わない。

添田孝史著 「原発と大津波 警告を葬った人々」を読み始め、大変興味深く感じる部分が多かった。日本の専門家と呼ばれる人物なんてものはせいぜいこの程度のものだということを理解するために、ちょうど良いサンプルであると思ったので、皆さんにも紹介したいと思ったわけです。東電福島原発事故の国会事故調査委員会で協力調査員(津波分野)を務めた添田氏。その思いがつまった著書を手に取ってみることをお勧めします。

一人の人間としてどんな思いを最優先に守って生きるかは、一人一人違うのだろう。でも、この地球に生まれた人間の誰もが、他者を意識することなく生きることはなかなかできないだろう。各人がいつの間にか抱え込んでしまった信念が、本当に地球に生きる人間に幸せをもたらすものなのかどうか。専門家であるかどうかに関わらず、その点をじっくり再考してみることはきわめて価値あることだと思います。


【関連ブログ記事】
国際原子力機関(IAEA)最終報告書 「最大約15メートルに及ぶ大津波への対策怠った」と厳しく批判
2015/05/26 17:47

http://behind-the-days.at.webry.info/201505/article_9.html





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首藤伸夫
東北大学名誉教授(現・日本大学教授)
http://www.nihon-u.ac.jp/arish/prof/prof_s_shutou.html

受賞:
日本土木学会論文賞
Tsunami Society W.M. Adams Award
米国土木学会国際海岸工学賞
日本学士院賞「津波防災の総合的研究」
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(以下に、添田孝史著 「原発と大津波 警告を葬った人々」より一部のみ抜粋)


p.34-35 「土木学会津波評価部」より

「部会主査の首藤伸夫・東北大学名誉教授はこの提案(安全率一倍とする基準)に対してこう述べている。
(首藤氏)「補正係数《安全率》の値としては議論があると思うが、現段階では、とりあえず一・〇としておき、将来的には見直す余地を残しておきたい」」


p.41 「対策は二〇センチ」より

「二〇〇二年三月、「とりあえず」(首藤氏の発言)定められた土木学会手法に従って、東電は福島第一原発で想定される津波の高さを五・七メートルに見直し、・・・これにあわせ6号機の非常用海水ポンプ電動機を20センチかさ上げする対策をとった。対策を施した跡でも、想定される津波の推移に比べ非常用ポンプの電動機下端まで三センチしか余裕がなく、想定に数センチの誤差が生じただけでポンプの機能が失われるおそれがあった。・・・想定をわずか〇・五パーセント超えると電源喪失につながる状態だったのだ。ほぼこの状態で津波襲来の日はやってきた。」


pp.41-45 「首藤氏に聞く」より

「経過を追ってきて腑に落ちないのは、津波想定の精度は「倍半分」《二倍の誤差がありうる》と再三繰り返していた首藤氏が、土木学会手法の策定時には安全率一倍を「とりあえず」と言いつつ了承したことだ。この「とりあえず」にはどんな考えがあったのだろう。本人に尋ねてみることにした。」

「東北大学災害科学国際研究所の津波工学研究室・・・首藤氏は、津波工学という名前を作り、一九七七年にこの研究室を創設した初代教授・・・東大工学部土木工学科を卒業後、建設省に入省。」
「(著者)・・・土木学会手法ができて(二〇〇二年)からだと潜水艦式の防護が完成するまでの約二〇年の間は、今の原発を動かすのに不安があったことになります。

(首藤氏)それはあるでしょう。しかし今の生活を保つためにはすぐにやめられないでしょう。だってやめて一九六〇年より前の生活に戻る気がありますか。みなさんそういう生活を知らんから言うとるけど、今の生活が原発にどれだけ守られているか。反原発の人は、とにかく実践してごらん。俺たち生活できると実証してみなさい・・・貧しかった。僕は中学生で駆り出されておばちゃんたちよりよっぽど働いたのに、おまえはまだ子どもだからといって半額とられた。それが悔しくて覚えている。そんな時代に戻れますか」


「(著者)ところが、安全率一・二でも福島第一原発と島根原発はアウトだったので、そういう背景があって幹事団(土木学会津波評価部会幹事団)は一と提案したのではないかと私は推測しています。
(首藤氏)「へーそうですか。電事連で。知らない。記憶にないなあ」」

「(著者)失礼な言い方だが、学者の先生方が電力会社の思惑に利用されたのではないですか。
(首藤氏)「へー」」

「(著者)・・・石橋克彦氏は原子力安全委員会の耐震指針作りの委員を抗議の意を表して辞任しました。
(首藤氏)「だって、原子力がない限り、日本の経済状況も生活状況も絶対に成り立ちませんよ。」」

「(著者)電力会社から研究費をもらわれたことはありますか。それで意見が言いにくくなったようなことは。
(首藤氏)「一銭ももらったことはない。ぜんぜんない。もらった人いるの、信じられん」」
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画像

http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/4315150/

原発と大津波 警告を葬った人々

添田孝史著

岩波新書 (新赤版1515)
定価(本体 740円 + 税)
2014年11月20日発売
ISBN978-4-00-431515-5 C0236

科学の粋を集めたはずの原子力産業.しかし,そこでは地震学の最新の科学的知見が活かされなかった.地震学の進化過程において,その後のプレートテクニクス理論導入において,どのような議論で「補強せず」の方針が採られたのか,科学ジャーナリストが詳細に明かす.そして今,新基準による判定がその反省に立脚しているのか,真摯に問う.


【新刊の紹介】

もし、私なら、どう振る舞ったか
もし、あなたなら、どう行動するか


 東電社員や保安院の元幹部らの話を聞いている時、「私が彼らの立場だったら、どんな行動をとっていただろうか」と考えることがある。(……略……)怖いのは、組織の中で定年退職までつつがなく過ごし、良い条件の天下り先や第二の就職先を確保するためなら、私も彼らと同じように振る舞った可能性が少なからずあることだ。
(本書より)


■著者紹介
添田孝史(そえだ・たかし)1964年生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了。サイエンスライター。1990年朝日新聞社入社。大津支局、学研都市支局を経て大阪本社科学部、東京本社科学部などで科学・医療分野を担当。97年から原発と震災についての取材を続ける。2011年に退社、以降フリーランス。東電福島原発事故の国会事故調査委員会で協力調査員として津波分野の調査を担当した。

 
■目次

プロローグ


序 章
手さぐりの建設
プレートテクトニクス理論以前の時代/揺れには3倍の余裕―「原発と地震」の歴史/55キロ遠方の、わずか12年分の津波データで設計/大津波の言い伝え―女川原発はなぜ助かったのか/バックチェックの仕組みなし/本書の構成


第1章
利益相反 ―土木学会の退廃
電事連資料/北海道南西沖地震/七省庁手引き/数値解析の誤差/土木学会津波評価部会/土木学会手法の策定手続きにおける問題/対策は20センチ/首藤氏に聞く


第2章
連携失敗 ―地震本部と中央防災会議
阪神・淡路大震災の教訓/地震本部の設立/日本海溝の津波地震/中央防災会議の「長期評価つぶし」/不可解な中央防災会議の動き/東電から圧力はあったか/専門家の意見は分かれていたのか/ばらばらだった


第3章
不作為 ―東電動かず
25年前―地層に残された警告(1986年)/17年前―ずさんな想定見直し(1994年)/9年前―見えていた2つの津波(2002年)/明かせない訳(2002年)/確率でごまかす(2006年)/15.7メートル―津波地震を「想定せよ」(2008年)/貞観津波の正体(2009年)/地元を騙す(2010年)/4日前の「お打ち合わせ」


第4章
保安院 ―規制権限を行使せず
三つの不作為(2000〜02年)/担当課長「揺れが重要課題だった」/危機感抱いていた職員も/海外のアクシデント例を生かさず/安全性再検討(バックチェック)の遅れ/徹底した情報隠し


第5章
能力の限界・見逃し・倫理欠如 ―不作為の脇役たち
福島県、「M8津波」想定したのに動かず/津波地震「無視するのも一つ」と助言した地震本部委員長/「原発はタブー」だった地震学者/日本初の倫理綱領が生きなかった土木学会/メディア1 「想定外」を生み出す構図追えず/メディア2 度重なる手がかりの見逃し/メディア3 吠えない「番犬」


終 章
責任の在処

事故調の限界/証拠出し渋る規制委員会/基礎的な事実を確かめない検察/検察審査会の明快な判断/裁判への期待と限界/それぞれの立場で巧妙な責任回避/「安全文化」でごまかす/川内原発が繰り返す過ち/ホイッスルを吹きやすくする仕組み


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