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zoom RSS 【原発避難訴訟】前橋地裁、国と東京電力の責任を初めて認める NHK+河北新報「法廷に立つ避難者」

<<   作成日時 : 2017/03/17 16:27   >>

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前橋地方裁判所は、
 「津波を事前に予測して事故を防ぐことはできた」
として国と東京電力の責任を初めて認めた。

地裁の判決は、政府や東京電力のこれまでの主張を真正面から退けて彼らを加害者と認めたということであり、日本に”無責任な政府”が存在していることを暗示するものと言える。



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【2017-3/28追記】
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河北新報   2017年03月28日火曜日

かほピョンNIE(エヌ・アイ・イー NEWSPAPER IN EDUCATION)のページ
NEWSなぜなに

原発事故、国と東電に責任 津波予想し対策できた
全国で同じ裁判 「各地へ影響も」

 2011年の東日本大震災の津波で起きた東京電力福島第1原発事故で、危険な放射性物質をさけて福島県から群馬県などに避難した住民ら137人が、国と東電に計約15億円の損害をつぐなうように求めた裁判の判決が3月17日、前橋地方裁判所で言いわたされました。
 原道子裁判長は「巨大津波を予想し、事故もふせげてはずなのに対策をしなかった」と国と東電のミスをみとめ、計3855万円を住民側に支払うよう命じました。
 住民側の弁護士は「原発の津波対策が問題となった裁判で国と東電の責任がみとめられたのは初めて」と話しています。
 原裁判長は、地下にあった配電盤が水につかり、原発を冷やすシステムが動かなくなったために事故が起きたとし、配電盤や非常用の発電機を高台に置いていれば、事故はふせげたとしました。
 東電に対しては、国の地震予測が発表された2002年には、福島第1原発に大きな津波が来ることが予想できたはずで、2008年には実際に津波の高さまで予想していたと指摘。それなのに事故の対策を取らなかったことには落ち度があったと判断しました。
 また、国も、東電からの報告で対策が取られていないことを知っていたとした上で、いったん原発事故が起きたら大変なことになるのだから、きちんと対策を取らせる責任があったとしました。
 そして、裁判を起こした人たちが避難時や避難先の生活でつらい思いをしたかどうかを1人ずつ調べ、137人のうち62人には1人当たり7万〜350万円、計3855万円が支払われるべきだとしました。支払い対象から外れた人たちの中には、「納得がいかない」と不満をあらわにする人もいました。
 東京電力福島第1原発事故の避難者たちが起こした裁判は、全国で少なくとも20カ所の地方裁判所や支部で30件あります。原告と呼ばれる裁判を起こした人たちは合わせて1万2千人もいます。
 今回の前橋の裁判で、弁護団の団長を務める鈴木克昌弁護士は「責任が東電だけでなく、国にもあると認定した意味は大きい」と判決を高く評価。全国の原告たちでつくる連絡組織佐藤三男・事務局長は「(各地の裁判に)およぼす影響は大きい」とみています。
 年内には、ほかの裁判所でも判決を出すところがあります。千葉地方裁判所は9月22日に判決を言いわたす予定です。
 千葉の裁判の原告で、福島県から避難している80代の男性は「わたしたちも血のにじむような思いでたたかっている。前橋の判決は本当にうれしい」と話しました。


【判決の主な内容】 

◆巨大津波は予想でき、
 原発事故をふせぐことはできた

◆東京電力は対策をおこたっていた

◆国もきちんと対策を取らせるべきだった

◆つらい思いをした62人に計3855万円を支払え



【写真1】 今の福島第1原発 4号機 3号機 2号機 1号機
【写真2】 判決の内容を伝える住民側の弁護士ら
【写真3】 判決後に集会で発言する鈴木弁護団長 =3月17日、前橋市
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NHK NEWS WEB   2017年3月17日 19時43分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170317/k10010915341000.html

原発避難訴訟 国に初めて賠償命じる判決 前橋地裁

3月17日 19時43分

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、群馬県に避難した人など、130人余りが起こした裁判で、前橋地方裁判所は「津波を事前に予測して事故を防ぐことはできた」として、国と東京電力の責任を初めて認め、3800万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。原発事故の避難をめぐる全国の集団訴訟では、今回が初めての判決で、今後の裁判に影響を与える可能性もあります。

この裁判は、原発事故の避難区域や、福島県のそのほかの地域から群馬県に避難した人ら137人が、生活の基盤を失うなど精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力に総額、およそ15億円の慰謝料などを求めたものです。

17日の判決で、前橋地方裁判所の原道子裁判長は、平成14年7月に政府の地震調査研究推進本部が発表した巨大地震の想定に基づき、国と東京電力は、その数か月後には巨大な津波が来ることを予測できたと指摘しました。

また、平成20年5月には東京電力が予想される津波の高さを試算した結果、原発の地盤を越える高さになったことを挙げ、「東京電力は実際に巨大な津波の到来を予測していた」としました。

そのうえで、東京電力の責任について、「事故の原因の1つとなった配電盤の浸水による機能の喪失を防ぐため、非常用の発電機を建屋の上の階に設けるなどの対策を行うことは容易だったのに行わなかった。原発の津波対策は、常に安全側に立った対策を取らなければならないのに、経済的な合理性を優先させたと言われてもやむをえない対応で、今回の事故の発生に関して特に非難するに値する」と指摘しました。

また、国の責任についても、「東京電力に津波の対策を講じるよう命令する権限があり、事故を防ぐことは可能だった。事故の前から、東京電力の自発的な対応を期待することは難しいことも分かっていたと言え、国の対応は著しく合理性を欠く」として、国と東京電力にはいずれも責任があったと初めて認めました。

そのうえで原告が受けた損害について、「放射線量の高まりや、避難の経緯などから、事故と関係があったかどうか個別に検討することが適切だ」として、自主的に避難した人たちを含む62人について、国と東京電力に3800万円余りの賠償を命じました。

原発事故をめぐり、全国の18の都道府県で1万2000人余りが起こしている集団訴訟では、今回が初めての判決で、今後の裁判に影響を与える可能性もあります。


菅官房長官「エネルギー政策に影響ない」

菅官房長官は午後の記者会見で、「本日出された前橋地裁の判決について、詳細は十分に承知していないが、国の主張が一部認められなかったと聞いている。今後、関係省庁において判決内容を十分に精査し、対処方針を検討していく」と述べました。そのうえで、菅官房長官は、原発を含めた政府のエネルギー政策に与える影響について、「そこは無いと思う」と述べました。


原子力規制庁「対処方針検討したい」

今回の判決について、原子力規制庁は「国の主張の一部が認められなかったことは聞いているが、今の時点で詳細は十分承知していない。今後の対応については関係省庁とともに判決内容を確認のうえ、対処方針を検討したい」と話しています。


廣瀬社長「判決文を精査したい」

判決について、東京電力の廣瀬直己社長は17日の記者会見で、「判決文を読んでいないので詳しいことは言えないが、今後、どう対応していくか、判決文を精査してしっかり対応したい」と述べました。そのうえで、今後、福島第一原子力発電所の事故の賠償費用が膨らんでいく可能性については、「われわれは、損害があるかぎり、賠償はしないといけない。きょうの判決も重要だが、裁判はいくつも抱えている。今の金額以上はないとは考えていない」と述べました。


同様の訴訟の原告「ふるさと喪失の評価十分ではない」

福島県や神奈川県で同様の集団訴訟を起こしている原告らでつくる「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」は、今回の判決を受けて、前橋市内で記者会見を開き、声明を発表しました。


この中では、「国や東電の責任を認めたことは高く評価されるが、慰謝料の額は低いものでふるさと喪失に対する評価は十分なものとは考えにくい」としています。連絡会の事務局長で、福島県いわき市の佐藤三男さんは「避難している人への差別や偏見などの問題が起きているが、避難の大変さをわかってほしい。原発事故は、二度と起こしてはならない」と訴えていました。


争点(1)東電の過失の有無

今回の裁判では、津波の予測をめぐって、東京電力に民法上の過失があったかどうかが争点の一つとなりました。

原告側は、津波は予測できたにもかかわらず、東京電力は原発事故を防ぐ必要な対策をとらなかった過失があると主張しています。その根拠として、平成14年に政府の地震調査研究推進本部が発表した「長期評価」では、三陸沖から房総沖にかけてマグニチュード8クラスの巨大地震が、30年以内に20%の確率で発生することが示されていたとしています。さらに平成18年に当時の原子力安全・保安院や電力会社が参加した勉強会で、福島第一原発については、14メートルを超える津波が来た場合、すべての電源を喪失する危険性があると示されていたとしています。こうしたことなどから、津波は予測できたにもかかわらず、東京電力は原発事故を防ぐ必要な対策をとらなかった過失があると主張しています。

一方、東京電力は、国の専門機関が地震のあとに、「想定された規模を大きく上回る地震と津波だった」と評価していることから、津波を予測し、対策を行うことは不可能であり、過失はなかったと主張しています。


争点(2)国の責任の有無

もう一つの争点が、国に責任があったかどうかをめぐるものでした。

原告側は、国も、東京電力と同様に平成14年に政府が発表した「長期評価」や、平成18年に国の原子力安全・保安院や電力会社が参加した勉強会の内容などをもとに津波を予測することはできたとしています。そのうえで、国は東京電力に対して、防潮堤を高くしたり、電源盤を高台に移したりするなど対策を指示する義務があり、原発事故の発生について責任を負わなければならないと主張しています。

一方、国は、平成14年の「長期評価」は、あくまで阪神・淡路大震災を受けた防災目的のもので、原子力施設を想定したものではなく、原告側が「津波は予測できた」とする主張については、原発事故の発生について具体的な想定や試算をしたものではないとしています。さらに、「具体的な安全対策を指示するべきだった」とする原告側の主張については、原子力発電所の具体的な設計の変更を指示することは、そもそも国の権限としては認められていなかったとしています。


争点(3)賠償額の妥当性

さらに、今回の裁判では、避難者に支払われている賠償額が妥当かどうかも争点となりました。

これまで東京電力は、国の審査会で示された指針に基づいて、避難指示区域の住民に1人当たり最大で1450万円を支払っているほか、自主避難した人には最大で大人に12万円、子どもと妊婦に72万円を賠償として支払っています。

原告側は、これらの賠償には、住み慣れた家や仕事を失ったり、転校を余儀なくされたりしたことによる精神的な苦痛は含まれていないとして、現在の賠償の枠組みでは十分ではないと主張しています。さらに、避難指示区域の住民も、自主避難した人も、同様に精神的な苦痛を受けており、区別はできないとしています。

一方、国と東京電力は、現在の賠償の枠組みで十分補償されていると主張しています。


争点(4)自主避難の妥当性

また今回の裁判では、避難指示区域外の住民の自主避難の妥当性も争点となりました。

原告側は、放射線の被ばくに安全な線量は存在しないという、平成19年の国際機関の勧告を引用して、当時、福島県に住んでいた人が健康被害を予防するために避難することは合理的だったと主張しています。そのうえで自主避難をした人がそれまでの人間関係を断ち切られるなどして受けた精神的な損害については、現在の賠償の枠組みでは補償されておらず、不十分だとしています。

それに対し、国と東京電力は、事故直後の混乱などから被ばくをおそれて避難することに一定の合理性は認められるとしていますが、避難指示区域内の住民と比べて精神的苦痛は少なく高額の賠償は認められないとしています。


判断のポイント

判決では、事前に巨大な津波が到来することが予測できていたのに、国と東京電力が津波に対する安全対策を取らなかったと、厳しく指摘しました。

判決の中で、裁判所は三陸沖から房総沖にかけて、マグニチュード8クラスの地震が30年以内に20%の確率で発生することを示していた、平成14年7月の政府の「長期評価」を、原発の津波対策で考慮しなければならない合理的なものだとしています。

そのうえで、東京電力については、長期評価が公表された数か月後には、地震によって非常用の電源設備が浸水するほどの津波が到来することは予測でき、平成20年5月には、予想される津波の高さを試算した結果、高さ15.7メートルの巨大な津波が到来することを実際に予測していたと指摘しています。

さらに、こうした予測に基づいて、配電盤や非常用の発電機を高台に移すなどの津波対策をしていれば、原発事故は発生しておらず、こうした対策は期間や費用の点からも容易だったとしています。

また、国については、平成14年の長期評価のあと、5年が経過した平成19年8月に東京電力から提出された原発の安全に関わる報告書に津波に関する記載がなかったことから、国は東京電力の自発的な対応を期待することは難しいと認識していたと指摘しました。

そのうえで、裁判所は、国が東京電力に対して規制を行う権限に基づいて津波対策を行わせるべきだったのに、行わなかったことは著しく合理性を欠くと、国の対応についても厳しく指摘しています。


賠償求める訴えは各地で

原発事故で被害を受けた人たちは、各地で賠償を求める訴えを起こしています。

6年前の福島第一原発の事故のあと、東京電力は、国の指針に基づいて福島県に住む人たちや県外に避難した人たちに賠償を行っていますが、裁判を通じて事故の責任を問う動きが広がっています。今回のように福島県から避難した人たちが、国や東京電力には対策を怠った責任があるとして賠償を求めている裁判のほか、福島県では、賠償に加え、放射線量を事故の前の状態に戻すよう求める裁判も起きています。

件数は次第に増え、国や弁護団などによりますと、全国の少なくとも18の都道府県で29件の裁判が起こされ、原告は1万2000人余りに上っています。去年2月には全国の集団訴訟の原告たちが全国規模の連絡会を結成し、それぞれの裁判の情報を共有するなど連携して被害の救済を求めています。

一方、国や東京電力は、事故を予測することはできなかったなどとして、各地の裁判で争っています。審理の進み方は異なっていますが、17日の判決以降、千葉地方裁判所や福島地方裁判所などでもことし中に判決が言い渡される見通しで、裁判所が今回のように原発事故の責任を認めるかどうか注目されます。
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LITERA   2015.03.11
http://lite-ra.com/2015/03/post-933.html

安倍首相が原発事故前に「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否していた

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 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁する。
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 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ。

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた。

 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。
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河北新報   2017年03月14日火曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170314_63012.html

<法廷に立つ避難者> 苦労報われる判決を

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償などを東電や国に求める集団訴訟のうち、全国初となる判決が17日、前橋地裁で言い渡される。係争中の集団訴訟は少なくとも全国18地裁で27件あり、原告は1万1400人に上る。古里を奪われた怒りや避難生活での苦しみ、判決への期待…。訴訟に寄せる原告たちの思いを取材した。(福島総局・阿部真紀、柴崎吉敬、高橋一樹)

◎原発事故集団訴訟(上)迎える節目

<脱原発 機運低下>
 福島第1原発から約200キロ。毎週金曜の夜、空っ風が吹き付ける前橋市のJR前橋駅前に立ってきた。
 「福島の事故を忘れないで」。脱原発を訴える街頭活動は200回を超えた。
 いわき市から自主避難した丹治杉江さん(59)は、137人が参加する前橋訴訟の原告の一人。東電と国に過失責任があったと主張し、1人当たり1100万円の慰謝料の支払いを求めている。
 事故前から原発の安全性に不安を抱いていた。いわき市は福島第1、第2原発が立地する双葉郡に隣接する。過酷事故が起きた際、風向きに応じてどこに避難するか夫と話していた。
 地震発生後に喜多方市まで逃げ、さらに前橋市に避難した。身を守るための行動だったが「みんなを残して逃げる選択をした」という後ろめたさもあった。
 深刻な被害をもたらす原発事故を二度と繰り返してはならない。その思いを胸に、裁判の傍ら脱原発運動を続けてきた。
 当初は街頭で励ましの言葉を掛けてくれる人もいた。だが、最近は呼び掛けに反応する人はほとんどいない。脱原発の機運が急速にしぼんでいるように感じる。
 国内では2基の原発が再稼働し、運転期間を「原則40年」とする廃炉ルールの形骸化も進む。
 「裁判所は国のエネルギー政策が間違っていることを認め、原発再稼働の動きに一石を投じてほしい」。司法判断にわずかな望みを託す。

<無表情の代理人>
 原発事故で多くを失ったのに、「想定外」の一言で片付けていいはずがない。
 昨年7月に避難指示が解除された南相馬市小高区から前橋市に避難する女性(49)は、そんな思いで集団訴訟に加わった。
 夫を福島県内に残し、3人の子どもと避難した。損害賠償を算定するため東電との交渉に臨んだときのことだ。
 「二重生活を強いられ苦しんでいる」と窮状を伝えると、東電の担当者は「単身赴任と思えばいい」などと繰り返した。
 裁判では2度、法廷に立ち、意見陳述した。「生まれ育った古里、好きだった仕事、地域の人たちとのつながり…。全てを事故で奪われた」と訴えた。
 切実な気持ちが裁判官に届いたかどうかは分からない。東電や国は「津波の襲来も、過酷事故も想定外だった」と主張する。原告の訴えを無表情で聞く、国や東電の代理人の姿が印象に残っている。
 避難先での暮らしになじもうと家族と共にもがいてきた6年。「欲しいのはお金じゃない。被災者の苦労が報われるような判決だ」

【写真:「福島の悲劇を繰り返さないで」と街頭で訴える丹治さん=10日午後6時ごろ、JR前橋駅前】
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河北新報   2017年03月15日水曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170315_63005.html

<法廷に立つ避難者> 苦しみ・不安 分かって

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償などを東電や国に求める集団訴訟のうち、全国初となる判決が17日、前橋地裁で言い渡される。係争中の集団訴訟は少なくとも全国18地裁で27件あり、原告は1万1400人に上る。古里を奪われた怒りや避難生活での苦しみ、判決への期待…。訴訟に寄せる原告たちの思いを取材した。(福島総局・阿部真紀、柴崎吉敬、高橋一樹)

◎原発事故集団訴訟(中)失った古里

<働く喜び奪われ>
 「『国破れて山河あり』と言いますが、今の私たちには山河もありません」
 1月20日、福島地裁郡山支部。大柿誠一さん(68)の訴えが法廷に響いた。
 福島県浪江町の津島地区は、東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となった。住民が起こした集団訴訟には、大柿さんら約700人が参加している。地区民のほぼ半数に当たる。
 慰謝料の増額のほか「原状回復」を求める。原状回復とは、阿武隈山地に抱かれた自然豊かな津島地区の放射線量を、事故前の水準に戻すことを指す。
 大柿さんは高校卒業後、地元を離れて化学メーカーに就職。23歳の時、出張先で誤って顔に有機酸を浴び、両目の視力を失った。
 失意に沈んだが、古里での再出発を決意。「津島なら知り合いがいる。土地勘もある」。資格を取り、労災事故から8年後、浪江町内に鍼灸(しんきゅう)院を開いた。
 津島では自宅の裏山を愛犬とよく歩いた。幼い頃から慣れ親しんだ場所。鍼灸院は軌道に乗り、町外からも患者が訪れるようになった。
 古里でつかみ直した働く喜びと生きる楽しさは、原発事故で再び奪われた。今は本宮市に再建した自宅で妻と暮らす。不案内な土地で1人で出歩くことはほとんどない。
 津島地区を含む帰還困難区域は6年たった今も、避難指示解除の見通しが立っていない。国は昨年、区域内に復興拠点を整備する方針を示したが、地域全体の将来像は不鮮明なままだ。
 「国のやり方は一方的に映る。事故をなかったことにされたくない。古里を奪われて苦しんでいる人がいることを、国や東電に忘れてほしくない」

<責任明確化望む>
 福島地裁で21日に結審する集団訴訟も「原状回復」を求める。原発事故の集団訴訟で最大となる原告約4000人が参加する。
 福島県楢葉町に住んでいた山内悟さん(62)は都内で避難生活を送る。町は2015年9月、全域で避難指示が解除された。経営していたそば店をいずれ地元で再開させるつもりだが「今は不安しかない」。
 中学を卒業後、都内の有名店に弟子入りし、腕を磨いた。35歳で独立し、古里で店を開いた。自分で取った山菜やキノコ、アユなどを使った天ぷらが評判だった。「お客さんの『おいしかったよ』の一言が何よりうれしかった」
 住宅などの除染は完了したが、山林除染はほとんど行われない。以前のように自然に親しむ生活ができるのか。戻った住民は約1割。商売が果たして成り立つのか。気掛かりな事柄が、次々と頭をよぎる。
 「帰還を決めかねる町民の気持ちに正面から向き合わせたい」。国や東電の責任を裁判で明確にすることが、古里を取り戻す足掛かりになると信じる。

【写真:帰還困難区域の津島地区の自宅に一時帰宅し、荒れた庭を歩く大柿さん夫妻=2月3日、福島県浪江町】
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河北新報   2017年03月16日木曜日
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170316_73019.html

<法廷に立つ避難者> 加害者が主導 理不尽

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償などを東電や国に求める集団訴訟のうち、全国初となる判決が17日、前橋地裁で言い渡される。係争中の集団訴訟は少なくとも全国18地裁で27件あり、原告は1万1400人に上る。古里を奪われた怒りや避難生活での苦しみ、判決への期待…。訴訟に寄せる原告たちの思いを取材した。(福島総局・阿部真紀、柴崎吉敬、高橋一樹)

◎原発事故集団訴訟(下)最後の望み

<使命感を持って>
 団結すれば巨大な相手とも闘える。一人でも多くの被害者が声を上げられる環境をつくりたい。
 東京電力福島第1原発事故で福島県富岡町から避難する渡辺克巳さん(70)=福島県郡山市=は、そんな思いで集団訴訟に加わった。
 参加する福島地裁いわき支部での訴訟の原告は約600人。東電に慰謝料として1人当たり2000万円を請求している。
 みその醸造販売店を継ぐため、40代で高校教員を退職。仕込みのため早朝に起き、昼間は配達で飛び回った。夜は町内に開いた学習塾で、小中学生らに英語を教えていた。
 原発事故で古里を追われた1年後、事業再開を目指す。当時、県外で暮らしていた家族と離れ、いわき市の仮設住宅に移った。
 東電に製造機器のリース代の支払いを拒否され、計画は行き詰まった。機器が特注だったため「汎用性がなく、賠償の対象にならない」と一蹴された。
 加害者とは思えない一方的な対応。交渉を重ねても、らちが明かない。「事業再開はもう無理だ」と悟った瞬間、全身の血の気が引いていくのを感じた。裁判に訴えようと決めた。
 福島第2原発が立地する富岡町は東電や協力企業の関係者が多い。「やりすぎじゃないか」「まだ金が欲しいのか」。冷ややかな視線を感じるときもある。
 それでも裁判を続けるのは、被害者としての使命感。「加害者が決めた賠償の枠組みに被害者が従うのは理不尽だ。子や孫に示しがつかない」

<恒久的な支援を>
 福島県南相馬市原町区から京都府に避難する福島敦子さん(45)は京都訴訟の原告団共同代表を務める。原告175人の大半が、福島市など避難区域外から自主避難した母親と子どもたちだ。
 2013年9月に提訴した。低線量被ばくの不安など精神的苦痛に対する慰謝料として1人550万円の支払いを東電と国に求めている。
 原発事故が起き、原発から20〜30キロ圏にあった自宅は緊急時避難準備区域になった。2人の娘は当時、小学生。「できるだけ遠くに」。身寄りもない京都行きのバスに飛び乗った。
 20〜30キロ圏の避難指示は事故6カ月後に解除された。シングルマザーで避難先での生活は金銭的に苦しいが、原発の近くに戻る気になれなかった。京都に残った福島さん一家は「自主避難者」となった。
 原発事故から時間がたつにつれ、置き去りにされてしまうとの不安が募る。
 「当たり前の権利が守られていない。みんな苦しみながら避難を選んでいることを分かってほしい」
 福島県は今月で、自主避難者への住宅無償提供を終了する。県は帰還を促すだけで、「避難を続ける権利」を認めない国の姿勢と同調しているように映る。
 「恒久的支援を実現させるため、国や県の考えを根本から変えたい。裁判で責任を明確にし、同じ土俵に立たせる必要がある」
 
【写真:京都府内で避難生活を続ける福島さん=2月10日、京都府木津川市】
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