「さすらいのハッカー、全てを語る」(Lamo氏へのインタビュー)に私の心は揺さぶられた。

"The homeless hacker"で知られる青年Adrian Lamo氏へのインタビュー記事の一部を末尾に抜粋しておきます。CNET News.comの記者がFBIに出頭する直前のLamo氏にインタビューしたもの。(2003年9月25日)

当時22歳の若さで以下のようなことを明言しており、私の心は揺さぶられました。
・人間は宇宙の一部であり、実行すべき使命を感じている。
・誰かがやったことを繰り返すことに価値があるとは思えない。
・両親は、私の幸せを応援し、私がすることの価値を理解してくれている。

現代の日本人の中に、上記のように感じながら生きている人はどの程度いるでしょうか?

私も漠然とそのように感じてはいますが、いまだに確信には至っていません。でも、そう信じることによって必ず、私と私に関わるすべての人々が幸せに生きることに貢献できるはずだという確信は持っています。

彼は、アスペルガー症候群の診断を受けた著名人の一人だとのこと。

つまり、知能指数においては"健常者"と呼ばれる人と変わりはないが、"自閉度"は高い、という定義らしい。例えば、"自閉度"が高い場合、「他人の仕草や状況、雰囲気から気持ちを読み取ることが難しく、他人の微笑みを見てもそれの意味することが分からない」ということだ。

みなさんは、このような表現を読むとどう感じるでしょうか?

私は思います。「自閉度ゼロの人間はいない」と。

私自身、他人の気持ちがわからないことなどいくらでもある。皆さんもそうでしょう?それが現代社会の人間の平均値だと思っています。もし今それが完璧にできるのなら、戦争や核兵器など、とっくになくなっているはずです。

その能力のことを現代的に表現するとしたら、「超能力」に分類されるのではないでしょうか?なぜなら、現代物理学において未解明の領域だからです。現代物理学では、「物質」とそれに関わる「非物質(作用・力・エネルギーなど)」を取扱いますが、DNAと人間の心理状態や意思との関係性に関する部分には全く到達していないと思われます。ましてや、「人間が外界から受け取るもの」についてはタブーにさえなっていることがあるかもしれません。人間は何も考えなくたって、心臓は動くし、朝になれば自然と眠りから目覚めます。現にこうして、数十億人の人間がひとつの惑星の上で文明社会を築いているという事実は、奇跡以外の何ものでもないと思います。

私は、自閉症やアスペルガー症候群と思われる方々と直接的に関わったことが何度かあります。今後もそういう機会が増えそうな予感があります。

自閉的な面は人間であれば誰にでも備わっているものであり、その線引きをして、とりたてて差別するのはおかしいと思います。程度に応じて、助けてあげる必要はあるでしょう。サポートし、保護してあげる必要はあるでしょう。むしろ、その必要性こそが、周囲の人間にとっての人生の課題と言い切って良いかもしれないとも感じています。

でも、マスコミを通して情報が広がったときに、いつの間にか差別されることになる気がする。それを家族の方々は恐れているように想像します。

どうしてそうなってしまうのか?それは個人個人のつながりの弱さによるものだと思います。国家という何百万、何千万、何億人という巨大なコミュニティーが存在していたとしても、その中身はバラバラだということを証明しています。それをもって、「社会の自閉度が高い」と表現しても良いように思えてきます。

個人個人のつながりを強化できる可能性がインターネットには秘められていると期待しています。それを有効に活用していきたいと思って、このブログを書いています。


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(以下、 http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000055954,20061064,00.htm からの抜粋)
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     質問: CNET News.comの記者
     コメント: FBIに出頭する直前のLamo氏

---今のような状況を避けるために、何か違うことができた。そう思いませんか。

 私が現在のような状況に置かれているのは、それも世界の設計図の一部だからなのだと信じています。そして、それに従えば全てがうまくいくと確信しています。

---自由意志ではなく運命を信じるということですか。

 とんでもない。歴史はそれ自身によって刻まれ、宇宙はそれ自身によって形成される。そして我々は皆その宇宙の一部なのだと信じています。そして、宇宙がそれ自身によって形成されるとしても、我々もその発展に貢献しており、我々のすること全てが宇宙をよりよい場所にするための小さな波を生んでいる。これが、私が信じている「より偉大な力」に一番近い表現です。

---あなた自身の功績を少し控えめに公表しておけば、事態は変わっていたとは思いませんか。

 違う行動をしていたら、事態は変わっていたと思いますよ。しかし、命あるうちに実行すべきだと感じている使命以外のことをするのは、精神的に信託を裏切っていると思うのです。

---実刑判決を受ける可能性がありますが、心の準備はできていますか。

 信念が何とかしてくれます。

---お気に入りのフレーズですね。どういう意味ですか。

 我々の宿るこの宇宙では、我々のすることに無駄なことはひとつもない、そして宇宙は閉ざされたシステムで、エネルギーは決して消滅せず、我々がすることの全てがあるべき所に再配分・再利用されるという物理法則の下にあるということです。

 私は、これらのことに疑問を抱くような立場にはないのです。不愉快なものかもしれませんが、楽しい時間もあったし、そして今は悪い時期なのです。どちらも受け入れるつもりです。

---今回のことは、ほかの人たち、例えば若いハッカーの卵で、あなたを尊敬しているような人にとって、何らかの教訓となったのでしょうか。

 私を模範にする人はいないと思いたいですね。誰かがやったことを繰り返すことに価値があるとは思えません。まだ誰もやっていないことをするべきです。

---法律があることは認める、でも自分がやりたい事を法律が邪魔するときは無視する、と考えているように聞こえますが。

 そんなことは全くありません。私にも法は適用されるし、行動には結果が伴うと分かっています。私が今ここにいるのは、自分の行動の結果を見たいからです。正確には私がやったと言われている行動、についてですが。

---つまり、結果を受け入られる範囲内で、法に背く意思があるということですか。

 裁判の結果、私が法を犯していないことが明らかになるのを望んでいます。現在挙げられている刑事責任が事実に基づくものだと判断されるとは考えていません。それは事実ではない、などと嘆願するつもりもありませんが。

---あなたの両親は、今回の事件についてどう思っているのでしょうか。

 家族や親しい友人にとって非常に辛い事件で、皆、かなりの精神的な疲労を感じています。しかし、互いの絆を深める経験にもなっています。

---あなたの両親は「この大馬鹿もの、お前のせいで数千ドルを支払わなければいけない。払える金なんてないのに。家はまた連邦捜査官やカメラマンに詮索され、お前を牢屋から出す保釈金のために家を売らなければならない。もう2度とこんなことをするな」とは、言いませんでしたか。

 いいえ、両親は私を支持し、私を牢屋には入れたくないと思っています。同時に、私がしたことは私にとって大切なことだと理解しています。両親は、私の幸せを応援し、私がすることの価値を理解してくれているのです。

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